ÇHOMEブログvol.58 日本の医療制度を名実ともに世界一にするために~新設医科大学構想にもの申す~《第6回》

vol.58 日本の医療制度を名実ともに世界一にするために~新設医科大学構想にもの申す~《第6回》

吉田つねひこ「政治が視えるメルマガ」の第58号です。
このメルマガでは、国会の流れ、政策の動き、私の活動などをお伝えします。

 

テーマ : 日本の医療制度を名実ともに世界一にするために
~新設医科大学構想にもの申す~
― 第6回 ―

~はじめに~
前回は医師免許取得に際し、診療可能地域に一定期間制限を加え地域医療
の偏在や崩壊を食い止める処方箋を提示し、医療崩壊の原因として診療科の
偏在という問題点もあることを指摘して参りました。今回も引き続き、医療
崩壊を防ぐ処方箋を提示させていただきます。

■医療崩壊を防ぐ処方箋:その4
<医師免許制度の抜本改革-診療科の偏在と診療科の定員制(乙)>
今号では、前号で述べた様に社会構造の変化・疾病構造の変化・医局の崩
壊・一極集中の人口分布・若い医師の志向・自由標榜性など様々な要因に起
因する日本における診療科の偏在を改善解決するための唯一で絶対的な政策
を考察していきましょう。

それはずばり各診療科の定員制です。アメリカを例にとるとわかりやすい
のですが、アメリカでは、医師になる為にStep1(主に基礎医学の筆記試験)、
Step2 CK<Clinical Knowledge>(主に臨床医学の筆記試験)、Step2 CS<
Clinical Skills> (臨床に関する実技試験、2004年から導入)、Step3(総合
的な医療知識と実践に関する試験)からなるUSMLE(United States Medical
Licensing Examination)に合格しなければなりません。

Step1、Step2、Step2CSに合格した時点で、自分の希望する診療科における
RESIDENCYの受入先を探す事になりますが、同時にこの時までの成績が
matching評価となります。この時が医師としての将来を決める上で極めて重
要なタイミングとなる訳です。つまりUSMLEの成績や INTERVIEW(面接)の評
価によって、RESIDENCYの受入先が決まるのですが、各診療科の定員は決まっ
ており、自身の希望する診療科のRESIDENTに必ずしもなれるわけではありま
せん。一般に眼科、形成外科、心臓外科、脳外科等、高収入が得られる診療
科の人気が高く、要求されるUSMLEの成績も高いものとなります。反対に救急
医療等ワークライフバランスが悪い診療科の人気は高くありません。

ここで問題なのが、アメリカの医師は各診療科のRESIDENCY、FELLOWを経て
専門医となり、また数年毎に(どのような偉い教授でも、老医でも)専門医
の更新を経て各学会の認定する専門医を維持しなければ、その診療科の保険
診療を行うことが出来ません。それは一般的には保険会社が学会の認定する
医師の診療に対してしか、保険金を支払わないからです。つまり各診療科の
定員は、医師の教育制度と各診療科の学会によってコントロールされており、
どのような時代においても各診療科のバランスがとりやすくなっている訳で
す。

こういった制度を日本式にアレンジして、導入すれば数字の上では各診療
科の医師数のバランスは改善されるでしょう。しかしながら医師を志す若者
たちの夢や希望は制限されることになるわけです。また、現行の国家試験の
成績を基準に医師としての能力や各診療科への適性を評価するのは困難です
し、面接で要求される学生時代の活動等も日米では相当差が出てくることが
予想されます。加えて医学部教育ともリンクしてくるので、理想とする制度
を確立するのはそう簡単ではありません。

~次号に向けて~
医療崩壊を招く原因の一つとして、勤務医師数と開業医師数のバランスの
問題が指摘されます。次号においては、この勤務医師数と開業医師数を巡っ
ては、勤務医の処遇の問題や高度医療の継承の問題等、諸問題を深く掘り下
げると同時に医療崩壊を防ぐための処方箋として提示して参ります。

(次号に続く)

元衆議院議員 吉田つねひこ
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(2016年6月26日 記)
民進党愛知県第1区総支部長
元衆議院議員 吉田つねひこ

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