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vol.73 日本の医療制度を名実ともに世界一にするために~ Medical Tourismを考える ~《第6回》

吉田つねひこ「政治が視えるメルマガ」の第73号です。

このメルマガでは、国会の流れ、政策の動き、私の活動などをお伝えします。

 

テーマ : 日本の医療制度を名実ともに世界一にするために

~ Medical Tourismを考える ~

―第6回―

 

~はじめに~

新年あけましておめでとうございます。旧年中のご厚情に感謝申し上げま

すとともに、本年の皆様のご健勝とご多幸を心よりお祈り申し上げます。

さて、「Medical Tourism(メディカルツーリズム)」について今回で6号目

の投稿となりますが、これまで3回に渡り先進的に取り組んでいるインドの

Medical Tourismについて記述してまいりましたが、本稿以下の数稿では、国

策として観光と医療をリンクさせながら発展してきたタイのMedical Tourism

に関して考察していきたいと思います。

 

■Medical Tourism(メディカルツーリズム)を考える

 

:その6 タイのMedical Tourism<甲>

タイのMedical Tourismでは、その中心となるのは官民一体となった国策と

してのMedical Tourismの推進とタイの首都であるバンコクの病院における格

差医療の光と影です。2011年1月に出版された「病院がトヨタを超える日」の

著者で、カンボジアの医療システム立て直しに尽力されている北原国際病院

理事長の北原茂美医師は、今Medical Tourismでもっとも注目されている国は

前稿までで述べてきたインドであり、その源泉は豊富な人材力であると分析

しています。現状では確かに、本稿で述べるタイが外国人患者受入れ数に関

して世界一多いのは間違いありません。しかしながら、北原医師はこういっ

た医療で外貨を稼ぐタイの発想そのものは間違ってはいないが、最近タイ国

内で中東の富裕層の患者が増加し、その結果としてタイ国内における医療格

差が顕在化しており、自国民を置き去りにした医療は通常あり得ない為、医

療格差の拡大でタイのMedical Tourismは早晩行詰るのではないかと見ていま

す。

それでは先ずはタイのMedical Tourismが大きく発展した経緯と現状を考察

いきましょう。

東南アジア10か国から成るASEAN(Association of Southeast Asian Nations、

東南アジア諸国連合)には現在Medical Tourismが盛んな国を含みますが、か

ねてより交通の要衝に位置し“製造のハブ”として名高いタイが、“Medical

Tourismのハブ”としても近年急成長を果たしています。その背景の基盤には

、タイには高度な医療設備を完備した病院が多く存在し、更に欧米で訓練を受

けた専門医による質の高い医療提供体制が整っている事が挙げられます。その

為近年は、中国・ロシア・中東諸国等からの外国人患者が急増し、市場を大き

く底上げしています。実際JCI認証病院は、2012年時点でタイ国内に15病院存

在しています。またタイの主要な民間病院は、海外におけるプレゼンスを高め

る為に、海外にも病院を設置することによりグループ展開をはかり、加えてグ

ローバル展開のある健康保険企業と提携をして外国人患者が母国における保険

をそのままタイ国内で適用可能にする等、国際的なネットワークと利便性を強

化する事により、外国人患者の誘致に成功しているケースも多く見られます。

更に、近年のタイにおける高水準の医療施設及びホテル建設への積極的な投

資が同国のMedical Tourism市場の拡大に大きく貢献し始めています。特に優

れた医療インフラを整備することにより、海外で最新の技術を身につけた医師

が十分に活躍できる場を構築でき、結果として質の高い医療人材の確保につな

がっているという相乗効果を生み出しているようです。

こういった民間の動きに呼応するようにタイ政府ではタクシン政権以降、外

貨獲得目的でMedical Tourismを推進する国策を施行してきており、2002年に

はタイ国政府観光庁(Tourism Authority of Thailand, TAT)がメディカルハ

ブ構想を発表し、Medical Tourismに加えて医療投資を誘致し、医療系の人的

資源の開発・成長を促進する政策を進めてきました。近年では「世界の健康増

進サービスセンター」へと成長していく為に5カ年戦略計画(2010~2014年)

を打ち出すなど、Medical Tourismの発展および促進に寄与しています。また、

最近ではMedical Tourismで訪れる外国人患者へのビザ発行手続きの簡素化を

はかる等、国としての受け入れ体制も更に整備されつつあり、タイで医療サー

ビスを受ける外国人患者は年々増加しています。TATの発表によると、2002年

に約63万人であったタイへの外国人患者の数は2008年には倍以上の130万人を

超え、2012年においては前年比約7%増の253万人に達しています。

このようにタイにおいては毎年1500万人を超える観光客が訪れるという、既

に確立している観光産業と医療を効果的にリンクさせ、更に政府による積極的

な支援によって、Medical Tourismという成長産業を創出し、急成長を遂げて

きました。2008年度はMedical Tourismにより、同国の観光収入の1割に相当

する1822億円の収入を得たとしています。そのうち病院収入は521億円で残り

1301億円は患者や家族による観光収入となっています。その結果、タイの医療

業界は同国GDP(国内総生産)を上回る年率15 ~ 20%で急成長しています。

 

次稿では政府の目指す道と現実の乖離も含めてさらにタイのMedical

Tourismを考察していきたいと思います。

 

(次号に続く)

 

元衆議院議員 吉田つねひこ

 

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(2017年1月23日 記)

 

民進党愛知県第1区総支部長

元衆議院議員 吉田つねひこ

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