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vol.74 日本の医療制度を名実ともに世界一にするために~ Medical Tourismを考える ~《第7回》

吉田つねひこ「政治が視えるメルマガ」の第74号です。

このメルマガでは、国会の流れ、政策の動き、私の活動などをお伝えします。

 

テーマ : 日本の医療制度を名実ともに世界一にするために

~ Medical Tourismを考える ~

―第7回―

 

~はじめに~

「Medical Tourism(メディカルツーリズム)」について今回で7号目の投稿

となり、前回より国策として観光と医療をリンクさせながら発展してきたタ

イのMedical Tourismに関してご紹介しておりますが、本稿ではタイ政府の目

指す道と現実の乖離も含めて考察していきたいと思います。

 

■Medical Tourism(メディカルツーリズム)を考える

 

:その7 タイのMedical Tourism<乙>

タイ政府はタクシン政権以降、安価な政府によるPublic Sector(公的医療

機関)と高価なPersonal Sector(民間医療機関)の明確な区分によりタイ国

民の平均寿命及び健康寿命の延伸を達成すると同時にメディカル・ハブ構想

によって、海外からの外貨獲得や投資によるPersonal sectorの充実、そして

将来的にはPublic Sectorを含む国内全ての医療レベルの底上げと充実を図ろ

うとしています。同じ東南アジアのフィリピンやインドネシアは、日本をは

じめとした諸外国とのEPA(経済連携協定)で看護師や介護士等の医療介護従

事者を「輸出」する方法を取っているのに対して、タイでは海外からの患者

を「輸入」する国策を実施しているわけです。

一方で、タイ政府は、所得水準の低い国民でも医療を受けられるように「30

バーツ医療制度」(30バーツ≒約90~100円)を重要政策に掲げ実施していま

すが、一部の国民からは商業的要素の大きい外国人向け医療ビジネスに人的

物的資源が集中することで、国内一般向けの医療サービスが疎かにされるこ

とを危惧する声も聞こえてくるようになっています。しかし、前述のタイ周

辺の医療人財輸出国では医療関係人材の海外流出に悩むなか、タイ国内での

医療産業のパイが拡大することは、タイにおける高度医療人材の確保や医療

技術のレベルアップにも貢献している事実もあります。

では、世界一手厚い医療保険制度、もしくは、真の皆保険制度ではないか?

とも考えられているタイの30バーツ医療制度について少し説明させていただ

きます。本制度は、タクシン時代の2001年10月から導入された無保険者救済

医療制度で、保険に加入していない農民や低所得層が対象です。対象者には

IDが発行され、どんな病気でも月々の保険料負担はゼロで30バーツを支払え

ば診療・投薬・入院治療が可能という画期的な制度です。日本では、保険対

象外の出産・各種予防接種・健康診断・入院料・食事なども30バーツ対象で

あり、2006年からはなんとARV(エイズ治療薬)も30バーツ対象となっていま

す。(勿論、美容整形・性転換・不妊治療・勃起治療・特別室入院・高価な

人間ドックなどは対象外)しかしながら、病院はPublic Sector(本籍地の国

公立病院・保健所)に限られており、Personal Sectorは対象外です。こうい

った制度は国家財政を危うくするように感じてしまいますが、財源には酒税・

タバコ税が充てられていることと、現時点で65歳以上の高齢者が20%以上を占

める日本と比較して5%未満と低いため国家財政への負担は顕在化していません。

良い面ばかりが目立つようなこの制度ですが、30バーツ医療制度で行われて

いる医療の内容は、30バーツは約100円に過ぎないこともあり、結果として安

かろう悪かろうという医療が行われている面もあります。しかしながら、未だ

山岳民族等約5%の国民が未補足ではあるものの、少なくとも国民の6割、

約4,000万人の人々が、かつては病気になっても病院に行くこともなく、薬草

を使った伝統自家医療のみに頼っていたことを考えると隔世の感があります。

しかし、30バーツ医療制度の導入により需要は増えましたが、供給する側つ

まり医療提供側には大きな変化がなかった。つまり、この制度により患者が急

増したにもかかわらず、それに応じた医師への処遇がなされていないことなど

から02年以降毎年500~700人の国立病院からの医師の退職か続いているともい

われています。タイの医師数は02年時点での医師数は18,987人、06年時点で

21,051人(同看護師 101,143人)であり、医師数の人口比は日本の6分の1程度

となっている状況から考えると医療崩壊を引き起こしかねない深刻な状況に見

えます。

 

次稿では実際にPublic Sectorの雄である国立チュラロンコン大学医学部付

属病院における診療風景を覗いてみましょう。

 

(次号に続く)

元衆議院議員 吉田つねひこ

 

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(2017年2月8日 記)

 

民進党愛知県第1区総支部長

元衆議院議員 吉田つねひこ

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