ÇHOMEブログvol.75 日本の医療制度を名実ともに世界一にするために~ Medical Tourismを考える ~《第8回》

vol.75 日本の医療制度を名実ともに世界一にするために~ Medical Tourismを考える ~《第8回》

吉田つねひこ「政治が視えるメルマガ」の第75号です。

このメルマガでは、国会の流れ、政策の動き、私の活動などをお伝えします。

 

テーマ : 日本の医療制度を名実ともに世界一にするために

~ Medical Tourismを考える ~

―第8回―

~はじめに~

「Medical Tourism(メディカルツーリズム)」について今回で8号目の投稿

となりますが、今号ではタイにおけるメディカルツーリズムの第3弾として、

実際にPublic Sectorの雄である国立チュラロンコン大学医学部付属病院

(以下チュラ大)における診療風景を覗いてみましょう。

 

■Medical Tourism(メディカルツーリズム)を考える

 

:その8 タイのMedical Tourism<丙>

チュラ大は1917年にワチラーウット王(ラーマ6世)によって設立されたタ

イ最古かつ権威のある大学です。大学名はチュラロンコン大王(ラーマ5世)

に由来し、現在18の学部と多数の研究施設があり、キャンパスはバンコク市

街地に位置しています。出身者は政財官界の上層部にひしめき、日本の東京

大学に比する事が出来るこの大学の附属病院は自己負担無料の公的保険であ

る前項で述べた30バーツ医療制度を利用する一般庶民が利用するエコノミー

クラス病院です。外来待合室や病室などほとんどの場所に冷房がありません。

外来患者は1日4000人超で、年間1200万人が病院を訪れます。加えて、入院患

者は年間約5万人となっています。当然、早朝受付をしても診察は夕方になり、

患者は平均気温30度以上のバンコクで蒸し暑い待合室でひたすら待つしかあり

ません。しかしながら、東南アジアで最初に心臓移植をした病院でもあり医療

レベルは全体的に高くなっています。にもかかわらず、勤務している医師達は

夕方以降Personal Sectorのファーストクラス病院で外来や手術のバイトを行

っています。ファーストクラス病院との最も大きな違いはアメニティであると

思われます。CT、MRIは患者が多いため、長い待ち日数を要し、救急外来(ER)

は野戦病院並みとなっています。

そんなチュラ大ですが、2010年のカンボジアのカジノで300万円儲けたある

バックパッカーの男女のブログが患者にとって高価なPersonal Sector(民間

医療機関)との対比も含めPublic Sector(公的医療機関)のメリットとデメ

リットを知る上で大変参考になります。彼らは2010年2月中旬、男性がカンボ

ジアで原因不明の左足の腫脹、疼痛、熱発およびそれに伴う譫妄状態となり、

陸路バンコクまで辿り着きチュラ大を受診します。本症状だと蜂窩織炎や深部

静脈血栓症(Deep vein thrombosis, DVT 俗にいうエコノミークラス症候群あ

るいはロングフライト血栓症)の疑いもあり、大変危険な状態ともいえます。

バンコクについた時点でまともに歩行できない状態で、下腿部は赤紫色に変

色しています。ちなみに彼らは4年間ほど海外旅行を続けており、海外旅行保

険に加入していませんでした。その為、高いPersonal Sectorは行けず、

Public Sectorであり、タイの東大に相当するチュラ大はタイ一番の病院で、

タイ最高レベルの医療を安く受けることができるはずだと考え、同大に夕方に

到着し、救急外来を受診します。タイ語表示のみで理解不能でしたが、受付の

看護師は英語ができ、案内してもらいます。書類に名前書き、パスポートを見

せ、診察カードを作るのに、20バーツ支払い、診察室 9番へ行く様に指示を受

けます。ここではたったの1時間待ちで診察が受けられ、医師と看護師は英語が

堪能で、医師はDVTの可能性があり、肺塞栓になるおそれすらあると考えます。

鑑別のため200バーツ支払い、膝のX線も撮影しますが、それは問題ありませ

んでした。その為、超音波検査をして、DVTであれば、1週間ほど点滴治療を要

するため、自分で検査の予約をして来るようにと言われたので、痛い足を引き

ずって検査の予約をしに行きます。長時間待たされた上で予約票を受け取りま

すが、検査日は2010年9月と書いてあります。なんと半年以上先です!さすがに

驚き、診察室9番に戻り、医師に確認すると、苦笑いをしながら“検査がいっぱ

いで、9月にしか入らないようだ。どこか、私立病院で検査してきてくれ!”

と言われました。彼らは“こ、ここは、タイの東大のチュラ大病院だよね?タ

イ一番の病院だよね?いつ肺塞栓になるかもしれない、一刻を争う危険な病気

かもしれないのに、なんなんや!?しかも、ドクターが、検査のできる私立病

院を紹介してくれるならまだしも、自分で探せだとさ。日本でこんなことって、

超重大問題なんとちゃうの?”(原文ママ)と感じたそうです。

結局 3日後の9時に、血管専門の医師の予約をし、超音波検査してもらう病院

は、自分たちで探しました。

 

(次号に続く)

元衆議院議員 吉田つねひこ

 

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(2017年2月23日 記)

 

民進党愛知県第1区総支部長

元衆議院議員 吉田つねひこ

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