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vol.92 保守を考える -その6- 《我が国の保守》

吉田つねひこ「政治が視えるメルマガ」の第92号です。

このメルマガでは、国会の流れ、政策の動き、私の活動などをお伝えします。

 

テーマ : 保 守 を 考 え る

-その6― 《我が国の保守》

~はじめに~

 

10月10日に告示の衆議院議員補欠選挙が、愛媛県第3区・青森県第4区・

新潟県第5区にて10月22日に実施されますので、前号に引き続き、政治的

なお話を少しばかり挟ませていただきたいと思います。

 

【甲】日本の保守の立脚点を探る

 

保守に関する今回の連載を始めるにあたって、私は「例えば平安末期にお

ける源頼朝は当時においては間違いなく革新勢力であり、保守勢力であった

平安貴族そしてそこに取り込まれていった平家一門との戦いこそが治承・寿

永の乱いわゆる源平合戦であり、名古屋の生んだとされる政治的な天才であ

った源頼朝はこの戦いに勝利します。南北朝時代の後醍醐天皇そして足利尊

氏は各々、延喜天暦の治および鎌倉時代初期に軸足をおいた復古的改革主義

勢力になると思います。織田信長は強烈な革新勢力であり、宗教や伝統そう

いった部分を中心に今までの国体の多くを変えてしまったわけであります。

また、明治維新は間違いなく300年続いた江戸幕府という保守勢力に対す

る革新勢力による勝利であったわけですが、大政奉還そして王政復古の形を

とることで復古的改革主義の形態をとっています。では戦後既に70年が過

ぎ、焼け野原となった日本をそしてその国土の6割を失い日本人の価値観を大

きく変えた第二次世界大戦および太平洋戦争を知らない日本人が大多数を占

める今現在の我々が保守として考える古くからの伝統・習慣・制度・社会組

織・考え方とはいつの時代のものなのでしょうか?」と問いました。

 

そして「朝野における“いわゆる”保守化は日本だけではありません。米国

における連邦政府の権限拡大とオバマケアに反対する米国のティーパーティ

ー運動・・・ロシア(ロシア革命から約100年)や南アフリカ(南アフリ

カ連邦成立から約100年、アパルトヘイト廃止から20年強)などの新興

国でも外国人に対する嫌悪感や移民排斥運動の拡大が、そして中国において

は・・・連綿と続いた歴史・伝統・文化・教育を一切否定した文化大革命を主

導した毛沢東思想(マオニズム)の復興及び復権とあわせたナショナリズム

…これらは比較的近い過去(100年から250年以内)にその論拠と理想

を置いた保守主義とみなす事が出来るのではないでしょうか?これらは本質

的には江戸幕府に対する薩長土肥を中心とした軍閥による武力クーデターに

よって成立した明治政府による天皇親政体制への転換とそれに伴う一連の改

革であった明治維新から約150年を経た今の日本国と比較して如何でしょ

うか?」とも提起致しました。その答えを探っていく上で、興味深い考察が

あります。

 

『戦後日本の国家保守主義』を著した上智大の中野晃一教授(比較政治学)

は「日本では保守という言葉に、ねじれがありますね」と表現しています。

日本の近代が始まった明治維新でいえば幕府を守るのが保守、新政府は革新

となるはず、、、、、そこで氏は「明治“維新”は王政“復古”を伴った。

前近代に起源を持つ階層を維持する意味で保守なのに、後発国として国家主

導の下に近代化改革を進めた。いわば、革新性を内包する保守が生まれた」

と述べています。氏は国の役割も日本は独特であると表現します。「英米の

保守は個人の思想信条や経済活動などは、宗教や市場に任せろという考えな

のですが、日本の保守は戦後に至っても、国家が個人を主導する考えが残っ

ています」と、私もここが“日本の“保守を欧米や他国の保守と比べ多いに

わかりにくくしている要因の一つではないかと考えます。次稿でもさらに考

察を進めていきます。

(次号に続く)

 

元衆議院議員 吉田つねひこ

 

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(2017年9月6日 記)

 

民進党愛知県第1区総支部長

元衆議院議員 吉田つねひこ

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