ÇHOMEブログ【国会】内閣委員会 大臣所信に対する質疑 3月18日

【国会】内閣委員会 大臣所信に対する質疑 3月18日

3月18日 吉田つねひこは衆議院内閣委員会におきまして、大臣所信に対する質疑として、新型コロナウィルス感染症について質疑を行いました。その概要は次の通りです。(速記録からの抜粋です)

1.現在の感染状況について

○松本委員長 吉田統彦君。

○吉田委員 立憲民主党の吉田統彦でございます。

世界各地で感染が拡大するこの新型コロナウイルス、WHOのテドロス事務局長は、今月の12日、スイスのジュネーブ本部での定例記者会見で、新型コロナウイルスはパンデミックと言えるとはっきり述べて、世界的な大流行になっているという認識を示した上で、各国に対して対策の強化を訴えておられます。世界的な情勢を見ると、官房長官、中国は感染者数の増加が減速しているように感じますが、イラン、韓国、イタリアは深刻ですし、ヨーロッパ諸国も、感染者数の増加の勢いは増しています。

我が国も、国内での感染者数の増加、勢いは止まっておりませんね。昨日、3月17日現在、NHKの報道によると、38の都道府県で感染者が確認されていると。感染者は、クルーズ船の感染者、チャーター機で帰国した人も含めて1563名に及んでいます。そこで、官房長官にまずお伺いしますが、クルーズ船を合わせて感染者が1000名を超えた3月4日の時点での国内の感染状況をどのように認識されていたのか。3月4日はまだ水際対策で足りると考えておられたのか。また、もう一点、WHOは世界的にパンデミックの状況と宣言をしているわけですが、本日現在の日本の感染の広がりを受けて、日本もパンデミックの状況と考えておられていますか。

○菅国務大臣 3月9日、この専門家会議の中で、現状は爆発的な感染拡大には進んでおらず、一定程度持ちこたえているものの、同時に、依然として警戒を緩めることはできないとの見解が示されております。今がまさに、国内の急速な感染拡大を回避するために極めて重要な時期である、こうした認識のもとに、あらゆる手だてを講じているところであります。ちなみに、19日、専門家会議の皆さんからの、またそうした方向性が出てくると思っています。

○吉田委員 とにかく、そういう状況ですから、一日も早くこういった状況を脱却するために、官房長官、国会としても与野党一丸となって対応に当たっていくべきだと考えます。しかし、先週の森法務大臣の、参議院の予算委員会そして衆議院の法務委員会での発言問題のように、政府・与党がみずからそのような動きに水を差すような事態が頻発するようでは困ります。誠に残念なことでございますので、官房長官におかれましても、ぜひとも与野党一丸となる環境づくりに御尽力いただきますよう、心からお願いを申し上げます。

 

2.補正予算の編成について

○吉田委員 補正予算に関して伺ってまいりたいと思います。トランプ・アメリカ合衆国の大統領は、13日、新型コロナウイルスへの対応で国家非常事態を宣言しています。この宣言によって、約500億ドル、これは約5兆3~4000億円程度となる連邦政府の支援金提供が可能となったわけであります。また、それに先立って6日には、新型コロナウイルスの対策費として83億ドル、8700億円位の緊急予算を盛り込んだ法案に署名して成立をしており、ワクチンや治療薬の開発、感染者数が多い州や影響を受けた中小企業の支援などに充てられることになっていますね。その他韓国でも、政府は貿易体制の強化や景気対策として日本円にして約1兆円規模の補正予算を編成し、17日に臨時国会で成立をしています。最近では、ドイツ政府が、新型コロナウイルス感染拡大に伴う対策費用を確保するため、長年継続してきました均衡財政政策を棚上げする用意があるとも報道されています。これに対して、我が国の経済対策は十分ではないのではないかと考えます。例えば、まず、立憲民主党を始めとする野党共同会派は、コロナウイルス蔓延の状況を踏まえた、2月28日に予算の組み替え動議を提出しています。コロナ感染症に対する医療に加えて、雇用、財政、金融等を含む対策は、今そこにある危機です。医療機関のマスクの問題、安倍総理の記者会見による突然の学校の休校や、基準のはっきりしない、そして終わりの見えないイベントの中止要請によって、国民経済は大混乱をしております。この危機を乗り越えるために、官房長官、報道などで、新たな経済対策は、20年度補正予算も念頭にとか、ないしは4月に補正予算などと言われておりますが、今すぐ20年度本予算の組み替えなど、早急な対策をとるべきではないかと考えます。補正予算で組み上げるというおつもりでしたら、どれ位の予算規模になるのか、お答えください。

○菅国務大臣 国としては、まさに現在は、拡大防止策、ここに全力を挙げているところであります。そして、この拡大防止策をしっかり実現させると同時に、経済の落ち込みが激しいということも十分私ども承知していますので、それは色々な提案があることは承知しています。そういう中で、まずはその防止策に全力を挙げて、現在お願いしている予算を一日も早く成立をさせていただきたいと思っています。

○西村国務大臣 感染拡大防止、これが何より将来の経済復活にとっても大事なことでありますので、これに全力を挙げているところでありますが、当然、経済の縮小に伴って事業の継続が難しくなったり、雇用も大変になってきているという状況でありますので、現時点では、まず、中小企業の資金繰りとそれから雇用の維持、それと生活を守る、このことに全力を挙げて取り組んでいるところであります。先般、もう御案内のとおり、4300億円の予算とそれから1.6兆円の金融措置と、合わせて2兆円規模であります。諸外国も、今取り組んでいるのはまずはこの資金繰りなり雇用の維持に取り組んでおりまして、ほぼ同様の施策を各国とっております。これで見ますと、アメリカもEUも大体GDPの0.2%程度の予算でありますので、それに比べて我が国が遅れているということは全くございません。終息した後は、観光なり地域の消費喚起であったりサプライチェーンの再構築であったり、しっかりとこのインパクトに見合うだけの経済対策をやらなきゃいけないというふうに思っているところでありますけれども、今は何より、長官から申し上げたとおり、この予算の成立に向けてぜひ早期成立をお願いしたいというところでございます。

○吉田委員 ありがとうございます。今、西村大臣からお話がありましたが、もっと世界の状況を踏まえて、日本は本当に経済対策を今すぐやっていかないといけないですし、社会保険料の減免とか、中小企業、そこで本当にこれは倒産していく可能性が高いと思いますよ。ですから、そういうところも大胆にやるというお言葉を実は官房長官から期待したんですが、なかなかちょっとそういった言葉はいただけなかったんですが。今後また議論していきたいと思います。今度、日銀の方に少しお伺いをさせていただきたい。

3.株安の日銀ETFへの影響について

コロナ感染症の影響、世界経済の後退を、じりじりとこの影響を広げていますね、世界経済への影響を導いています。先日、地元の飲食店の方と話したりしたとき、よく話すんですが、もう商売を畳むしかないとか、そういった発言が多々あります。日経平均は、2月17日からの約1カ月で、2月16日の終わり値ベースで約28%下がってしまっている。深刻な影響が出ているのはもう御承知のとおりだと思います。そこで、まず日本銀行にお伺いしたいんですが、この株安にとって、現在、日本銀行の保有する株式について、含み損益はどれ位出ていますか。

○加藤参考人 日本銀行が現在保有しております、ETFという形が中心でございますので、こちらの含みの損益という状況だという御質問だと思いますけれども、こちらは株の動向によって日々大きく左右されるので、ある程度幅を持って見ていただく必要性があるとは思っておりますが、その上で、現在決算を公表している、これは2019年9月末時点で、そのETFの保有状況と、それからあと、10月以降にいろいろ買っておりますので、これを実績を用いて、あと、現時点の日経平均株価は大体17000円前後という形でございますが、厳密な数字にはならないんです、やはり粗い推算で行われますと、大体ETFの含み損が2~3兆円程度です。

○吉田委員 だんだんと深刻になってまいりましたね、本当に。先月、財務金融委員会で黒田総裁に量的緩和政策、特にETFの出口戦略について質問させていただいたんです。日本銀行は、16日に、量的緩和を拡大するとして、ETF買入れ目標額の上限を、従来年間6兆円から約12兆に引き上げることを決定したと仄聞しております。今回の買入れについて、どうしてこのような判断になったのか、また、買入れに際して、買入れの方針などについて何か変更はないのか、この二点をお聞かせ願えますか。

○加藤参考人 御説明いたします。今先生が御指摘いただきましたとおり、日本銀行は一昨日の金融政策決定会合で、約12兆円に相当する残高増加ペースを上限に積極的に行うということを決定いたしました。この決定の背景ということが一つでございますが、先生が御指摘いただきましたとおり、やはり世界経済の不透明感は高まっている。そうする中で、内外金融資本市場で非常に不安定な動きが続いていますので、こうした状況が続くと、やはり企業や家計のコンフィデンスが悪化してしまうのではないかという観点、なので、金融市場の安定を維持するということを中心に、今回、ETFを積極的に買い入れることといたしました。従来から、こうしたマーケットの安定、これによるコンフィデンスの悪化の防止という点では同じ考え方だったわけですけれども、やはり、ここに来ての変動の大きさということを踏まえて、当面の間、大幅に増やすということを決定した次第でございます。

○吉田委員 これで終わるつもりだったんですが、今の御答弁で若干確認したいんですが、更に買い増しにより、含み損をだだ流しにしてしまって大損するという可能性は、今の動向を見ると高いんじゃないかと思いますけれども、そこを日本銀行はどう思っているか、最後に、ちょっとここだけ教えていただきたいと思います。

○加藤参考人 御説明いたします。まず、この先について、先生御指摘のとおり、多分、ETFの保有額は増えていく形になります。ただ、含みの損益という観点でいいますと、この先の株価が今後どうなっていくかによっては、逆に益が出てくることも当然ありますので、この先の株価の動向ということがまず一つだと思っております。その上で、ただ、このETFについては、色々な形で、引当金を積むとか、あと利益準備金を確保する等々で、財務の健全性を確保する方法は別途講じておりますので、こうしたもとで、しっかりとこの政策を続けていければと考えているところでございます。

○吉田委員 かなり甘い見通しじゃないかと心配に、よりなってしまった御答弁でした。

4.東京オリンピック・パラリンピックへの影響について

○吉田委員 また、官房長官にせっかくお越しいただいていますので、質問させていただきたいと思います。新型コロナウイルスの影響で、東京オリンピックの予選とか出場権獲得にかかわる大会が世界中で中止とか延期になっており、代表選考そのものが大きく混乱しています。IOCは、17日に各競技の国際連盟と緊急の電話会合を開いて、対策を説明することになったと報道されています。一方、私の地元愛知県名古屋でも、聖火リレーを行うための道路の規制を行うという告知が出されているようです。しかし、アメリカのトランプ大統領の私見ということですが、東京オリンピックは1年間延期した方がよいかもしれない、観客なしで開催するより1年延期する方がよい選択肢だと思うと述べたとも伝えられております。また、2月末にIOCの委員が東京オリンピックの開催について、判断の期限は5月下旬との見方を示したとも伝えられております。現状で、東京オリンピック・パラリンピックは開催することが可能だと官房長官はお考えでしょうか。それとも、現時点で延期という選択肢もあるという認識のもとに、既に何らかの調整をしておられるのかどうか、お答えいただけますか。

○菅国務大臣 今、委員のお話の中にもありましたけれども、昨日IOCが公表した声明においては、2020年の東京大会に向けて変わらず全力を尽くすことが改めて示された、このように承知しています。また、3月16日のG7首脳会談では、安倍総理から、大会開催に向けた準備を全力で進めており、完全な形で開催を目指したい、こう申し上げました。このことに対して、G7の首脳からは支持と連帯が示されたというふうにも聞いています。この点については、昨日のIOCの声明でも歓迎をされております。政府としても、予定どおりの大会開催に向けて、IOC、組織委員会、東京都との間に緊密に連携をとりながら、その準備を着実に進めていきたいというふうに思います。ですから、延期とか何かという調整は全く行っておりません。

○吉田委員 官房長官、ありがとうございます。現時点ではそういうことだということをはっきりお答えいただきましたので、感謝申し上げます。

5.新型コロナウイルス感染症の重症化の機序の解明について

○吉田委員 次に、西村大臣にお伺いをさせていただきたいと思います。先日の大臣所信の中で、竹本大臣が、新型コロナウイルス研究開発を始め、基礎から実用までの一貫した研究開発の推進などを内容とする健康・医療戦略に関して言及しておられました。これも近い将来的には必要かもしれませんが、現時点でクラスターが多数発生して、そこから小規模集団の中での感染も広がっていく、そういった状況もあります。3月1日の厚生労働省の発表によると、政府の専門家会議がこれまで国内で発生した事例を分析した結果、事実なら大変な知見ですが、実は感染者のうち8割からは、他の誰にも感染していないようだということをおっしゃっています。つまり、通常の患者の基本再生産数はこれは0~1程度にすぎない。換気の悪い密閉された空間に不特定多数の人が密集したケースで爆発的に感染が広がったケース、これが複数あると。基本再生産数の平均値を引き上げてしまっている可能性があります。そうすると。また、重症化率についてWHOは、2月17日に中国の44000人のデータによると、8割が軽症、14%が肺炎や息切れが起こる重症、5%が多臓器不全や呼吸困難を起こし重体となり、2%が死亡するということであります。他の地域では、重症化の割合はもう少し低いと感じます。ただ、重症化する機序というのがほとんど何も明らかになっていない。そうすると、この再生産数が本当であれば、インフルエンザと比べて感染力が極めて高いとは言えない。ですから、重症化率を引き下げることが国民の命を守るために極めて有益だと考えられます。例えば、若者の重症化例なんかを中心に、サイトカインストームとかが起こっている可能性とかもあるんじゃないかとも思いますし、政府そして感染研は、重症化する機序に関して、まず集中的にちょっと検索、解明をしていく努力をすべきではないかと思うんですが、大臣、どのようにお考えになられますか。

○西村国務大臣 まさに御指摘のように、8割は軽症で、症状がない方もおられます。重症化された方の対策は何より大事でありまして、どういう原因で重症化していくのかというところをしっかり見極めるというのは非常に大事な御指摘だというふうに思っております。特に高齢者や基礎疾患を持った人が重症化しやすいということでありますので、そこに十分配慮した、特段の注意を払った対応、病床の確保とか人工呼吸器とか、あるいは基礎疾患を持った方は電話による診療で処方箋の発行に取り組んでいるところでありますし、2日間熱が続けば、これは帰国者・接触者相談センターの方に相談をするように進めていることなどがございます。ただ、御指摘のように、なぜ重症化するかについてはいまだ不明な部分も多く、高齢者や基礎疾患を持っている人が重症化した場合の治療も困難でありますし、そもそもそれを防ぐのもなかなか難しいという点がございます。政府としてはまずは治療薬のところも含めて、既存の治療薬の効果を検討する一環として、感染症の患者さんの経過を調べる、その研究を国立国際医療研究センターを中心に行っているところでありますし、もう少し科学的知見を蓄積していくことが大事だというふうに思っておりますので、引き続き、政府としてもこの研究開発、研究事業などを通じて知見の蓄積を高めていきたいというふうに考えているところであります。

○吉田委員 大臣、基礎疾患を持っている方が感染症で重症化するのは当たり前なんです。私が先ほど申し上げたように、今後最大の問題になってくる可能性があるのは、若年者の重症化なんですよ。大臣、覚えていらっしゃらないかもしれないけれども、SARSのとき、若年者がかなり重症化して亡くなっています。恐らくこのときは、サイトカインストームという現象が起こっていた可能性が高いんです。だから、90歳の基礎疾患を持った方がやはり危ないというのは、これはもう常識ですよね。感染症全てに対してそうです。しかし、割と元気な70歳代、基礎疾患も何もない方、そして20歳代の看護師さんも人工呼吸器管理になっていると報道で聞いています。ここが大事なんですよ。ですから、これはSARSのときの反省に立って、もう少しちょっと政府の方から感染研等に対して、そういった部分を、やはり、ある一定程度、力を注いで、確認を急がせた方がいいと思います。大臣、ちょっとそこを指示していただけると約束していただけませんか。

○八神政府参考人 お答え申し上げます。新型コロナウイルスにつきましては、まだ現在も不明な点も多くありますが、重症化例を若者も含めて集めて、集積をして研究をするということを今進めておりますので、またそれも御報告をさせていただければと。

○吉田委員 八神審議官ですかね、ここをしっかりやってくださいね。ここは本当にポイントになってくるところですよ。ぜひ頑張ってください。それは与野党を問わず応援を多分すると思いますので、しっかりやってくださいね。では、西村大臣、治療法に関して、お話をしていきたいと思います。NIHはアメリカの製薬会社モデルナと共同で、今年1月中旬から新型コロナウイルスのワクチンの開発を始めていました。試験のワクチンが先月、2月下旬に完成して、NIHは3月16日にこのワクチンの最初の臨床試験がワシントン州シアトルの医療機関で始まったと発表しております。しかしながら、これは大臣、フェーズⅠですね、日本語で言うと第一相試験となります。果たして、今回のパンデミックをワクチンが抑え込むことができると政府としてはお考えですか。

○西村国務大臣 まさにアメリカでこのワクチン開発、臨床試験が始まったということを承知をしております。人の命、人々の命を守るためにこのワクチンが開発されることは望ましいと考えているところでございます。一方、日本でも、令和元年度の予算におきましてワクチンの研究開発を進めることとしておりまして、幾つかの、東大の医科研、感染研、あるいは阪大において取り組まれておりますので、どの位の時間がかかるかは、できるだけ早期にできればいいんですけれども、ぜひこれは期待をしたいと思いますし、あわせて治療薬の開発も、もう既に御案内のとおり、アビガンであったりオルベスコであったり、幾つかの治療薬が有効であるという幾つかの症例も出てきておりますので、これを臨床研究なりを進めて、できるだけ早期に治療薬の開発も進めていきたいというふうに考えているところであります。

○吉田委員 大臣、それはわかるんですけれども、今の大事なポイントは、現実的な見通しで、このNIHが開発しているワクチンが今回の世界的なパンデミックを抑え込むことができると思っているのか、思っていないのかということは非常に大事なんです。そこは所管大臣としてどうお考えですか。

○八神政府参考人 現時点では、そこについてはまだわからないということでございます。○吉田委員 いや、これは極めて重要な御答弁ですよ。パンデミックの対策をしていくんでしょう、世界的に。日本はこれ以上感染を広げないようにするんでしょう。そうしたら、このワクチンがどういう立ち位置の、どういうポイント、どういうルールを担うのかということが大事じゃないですか。あわせて、大阪大学が、治療の、これは恐らく血漿か血清から取り出した抗体なんだと思うんですが、それを増幅してワクチンのような使い方をするという短いニュースを先ほど見たばかりですが。この抗体を使った治療の方が、今NIHの作っているワクチンよりは早目に実現してきて実効性を持つ可能性があるとも思われるんですが、ここの見通しはどうなんですか。私が心配しているのは、ワクチンが間に合えばいいんですが、第一相試験なんですよ、今。しかも、始まったばかりの第一相試験ですよ。では、いつ、最短で薬はできるんですか、ワクチン。それは厚生労働省、最短でどれ位か予想できるでしょう。では、答えてみてくださいよ。

○八神政府参考人 相当な時間がかかるものだというふうに考えてございます。通常のものであれば数年かかるというようなところを、どこまで早くできるかというようなことだというふうに考えております。

○吉田委員 そうなんです。官房長官、かなりかかるんです。だから、今回のパンデミックを、抑え込むことも難しいと思うんですよ。だから、それも頭に入れてやはり対策を打っていかないといけないということが一点です。この大阪大学の治療もぜひ、大臣、応援してあげて、もう早期に結果が出せるように期待していますので、司令塔として頑張ってください。応援を我々もしっかりしますので。

6.新型コロナウイルス感染症患者

○吉田委員 先日、ダイヤモンド・プリンセス号の設計者の話を仄聞したんです、通常のクルーズ船のほとんどの客室というのは密閉状態で、窓もない部屋もある。また、内部の通風は外循環系統、内循環系統を含めてセントラル空調で調整されていて、今回のクルーズ船もそういった形をとっている。これは、クルーズ船の中における急速な感染拡大は、こうしたエアコンのセントラル空調方式こそが大きな原因じゃないかとも考えられます、官房長官は、このクルーズ船の換気方式が今回の端緒になった、つまり、クルーズ船の中で新型コロナウイルスが発生したと御存知になられた時点、このクルーズ船の換気方式がユニットじゃなくてセントラルだということは御存知でしたか。

○菅国務大臣 私は、空調のことについては承知していませんでした。(吉田委員「御存知なかったんですね」と呼ぶ)はい。

○吉田委員 これは御存知だったら、やはり大問題だったと思います。初動を誤った理由はそこです。ただ、官房長官は、危機管理の中でお調べになるべきだった。もしこれが、最初から御存知だったとすると、船上で隔離と経過観察をしたのはやはり誤りだったと言わざるを得ないと思います。これは、乗客乗員の皆様が培養液の中にいるみたいだという発言もあったと聞いています。多くの乗客乗員の皆さんに感染させたことは、もし御存知だったとしたら、甚大な責任はやはりあると思います。実際、本来、セントラル空調だったら、船上の感染の疑いがある方を下船させて、やはりまず感染症指定医療機関に入れなきゃいけないですよね。そうじゃない方もやはり、必要であれば感染症指定医療機関、若しくは、後述するようなちょっと特定の施設で管理、隔離、経過観察をすべきだったと思います。これは、政府の対策としては遅きに失したと、あえて申し上げますが。藤田医科大学の岡崎医療センターは、開院前にもかかわらず、勇躍決断して、計128人の乗客を受け入れたとの対応、これは成功したと思いますよ、藤田医科大学の試みは。正しかったと思います。藤田医科大学の皆さんには最大限の敬意を私は表しますし、また、政府チャーター便で武漢から帰国した邦人が一時滞在した勝浦ホテル三日月ですか、こちらの英断には、もう三拝九拝して我々謝意を示さなきゃいけない、そのように考えます。だから、今回のクルーズ船の対応は、仮に医療機関の病室や病床が不足していた状況であっても、既存の、例えば廃業したユニット換気の個室で構成される宿泊機関を国が仮の医療機関として感染者を受け入れるとか、より確実性の高い隔離、経過観察の方法があったんですよ。地方の旅館、ホテルは厳しい経営が続き廃業に追い込まれる事例も相次いでいます。こうした人口密集地域から離れた宿泊施設の跡を国で臨時の医療機関とし、収容するというのが正しかったんですよ。

○菅国務大臣 ぜひ御理解をいただきたいんですけれども、この船の船籍、旗国は、これはイギリスでした。そして、経営者はアメリカでした。そして、船長の方はイタリア人の方でした。そして、56カ国、3700人が乗員乗客でおりました。それが日本に着いて、私ども実は、チャーター機、武漢からの、あそこから受け入れる方は約800人位いたわけですけれども、その人たちをどこに入れるかということで、先ほど三日月の話をしていただきましたけれども、受けてくれたのは三日月だけだったんです。そういう中で、公務員の宿舎、あいているところをあける等によりそこを確保するところが目いっぱいでありました。そうしたときに、クルーズ船が接岸する。そして、確かあれは2月23日の夜だったと思いますけれども、日本に来る前に、最後のと、いろいろなパーティーをやったとかそういうことも聞こえてきていました。それで、政府としてまず検査をしましたら、最初、30数人検査をした中で、10数人かが陽性だったんです。そこで私達は、何としてもその陽性の人達をいち早く船からおろして病院にという形で対応をとりました。そして、重症の方、熱のある方、そして高齢者の皆さん、そうした方の話を伺いながら対応をさせていただいて、25日から個室の方は個室で待機という形で対応させていただきました。

○吉田委員 官房長官、今後は、例えばさっき言ったように、廃業したホテルとか宿みたいなのっていっぱいありますよね。つまり、建物として、ユニットの換気で、隔離、経過観察ができるところというのはそんなになくはないですよ。適正な対価を払って、そういうものも使うような対応をなさった方がいいと思います。国の方針で病床数は減らしています。そうすると、病院だったところがクリニックになったりとか、そういうところがいっぱいあるんですよ。ここを、そんな公務員の宿舎云々をおっしゃる前に、そういったところを御利用になるということは、そんなに官房長官の決断で難しいことじゃないはずです。そういったことで、ぜひ御努力いただけませんか。

○菅国務大臣 いずれにしろ、現状が正常な状況になった後で、私ども、今回のこと、特にクルーズ船は初めてでありましたので、どこに権限があるのか、これは色々な問題がありました。そうしたことをしっかり検証させていただきたいと思います。そして、今委員から御指摘のありましたあいている病床、そういうことも厚生労働省から寄せ集めて、どの位あるのか、そういうことも承知をしながらこれは進めてきたということを申し上げたいと思いますし、また、突然のことに備えて病院船をどうだとか、色々な御意見も伺っていることも事実であります。

○西村国務大臣 はい。いい御指摘だと思います。インフル特措法が成立しましたので、今回、このコロナウイルス感染症も対象になりました。政府対策本部が立ち上がった後、検疫のために、まさに御指摘のような宿泊施設を使えるようになっていますし、ちゃんと補償するようになっています。また、万が一緊急事態宣言が出された後は、知事が、まさにあいた施設を使って医療施設にすることもできます。これも補償の規定がありますので。そういったことは望んではいないんですけれども、万が一の時にはそういったことも考えて対応したいと思います。

○吉田委員 終わりますが、大臣おっしゃったように、今でもできると思いますので、ぜひ御英断を期待しております。ありがとうございました。

以上、内閣委員会での大臣所信への質疑の報告でありました。

今回、歯科医師及び歯科技工士について、大きなテーマとして取り上げる予定でございましたが、新型コロナウイルス感染症の問題は喫緊の問題であり、医師という立場からも質疑を行う必要があったため、このテーマについて質疑を行うことが出来ませんでした。

しかし、この歯科医師、歯科技工士の問題は重要なテーマだと認識しており、次の一般質疑の機会などに政府に問いただしたいと考えております。

私は、国民の皆様が安心・安全に暮らすことができる社会を構築するため、これからも、政府に訴えていきます。皆様のお声をお寄せください。

衆議院議員 吉田つねひこ 拝

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